

国立大学入試コラム
ここでは大学受験に関するコラムをご紹介します。一部私立も含みます。
5.自由になった推薦入学
少子化と豊かな社会の相乗効果で、大都市周辺では私立願望、付属志向、推薦神話が出来上がっていました。このうち、長期不況の影響で私立願望と付属志向にはだいぶん鸚り・がみえてきましたが、推薦神話はなお健在のようです。
文部省はその過熱化を恐れて1994年から四年制三五%、短大五〇%と推薦枠を指導してきましたが、少子化の進行で進学環境が変わったと判断し、二〇〇〇年から四年制五〇%、短大枠撤廃と大幅に緩和しました。
受験生減を恐れる大学の期待は高まる一方ですが、安全志向の強い受験生は内申の上位者も中位者も下位者もいりまじって、推薦入学に熱い視線を送ることになります。
かつての主流であった指定校推薦に加え、自分で出願できる一般推薦が増えてきました。
推薦入試の採用校は、私大の約九割、国公立大の八割にのぼり、私大、特に短大加熱心です。
大学が推薦入試に熱心なのは、(滑り止め合格者でなく)第一志望者優先、個性豊かな学生を集めたい、学生数確保、(地元出身者が多い場合)全国からの採用などのねらいがあるからです。
推薦入試をねらう高校生の多くは、入学時に早くもスタートラインにつくことが多いようです。
入学式かその直後に、高校側から進学実績や推薦入試基準を渡され、「よし、自分も」と気持ちを固めるのです。
推薦入試の最大の条件は校内での評定平均値ですが、これは教科ごとに算出します。
高校の教科は、英語、国語、数学、地歴、公民、理科、家庭、保体、芸術の九科目なので、九教科の高−、高二、高三の評定を、高一・高二では三月の学年評定、高三では七月の1学期分を基にして小数第二位まで算出し、最後に全教科平均を小数第1位まで算出して求めます。
九教科は平等であり、英語と家庭も対等なら、英語の中で単位数が多い英語Iと単位数が少ないコミュニケーションAも同等です。そこで推薦入試希望者は、家庭・保健・芸術など、他生徒が軽視して手を抜く教科で確実に五(五段階評価として)をとることが効果的であり、取りこぼしは許されません。
重要なのは学年末評定ですが、その基準データとなる1学期、2学期の評定も大切であり、小テスト、夏休み明けテスト、レポート、ノート検査などもなおざりにできません。コツコツ小まめに勉強し、常に結果を出す「三割打者」が推薦入試志望者の理想像です。
何だかセコイと見えるかもしれませんが、難関大に推薦入学で合格した学生は、一年時は「下の中」と一般入試合格者に対し苦戦しても、二年時「中の中」、三年時「上の下」、四年時「上の中」と頭角を表すのか普通であり、結局コツコツ型の推薦入試合格者は大学の「宝」になっています。
もちろん、ユニーク入試への実績づくり、一般入試への学力づくりも、並行して進めましょう。